- ◆看板スタッフ紹介
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本日紹介する看板スタッフは「たかれん」さん!
看板スタッフ紹介コーナーでは、ココトモハウスで皆さんの居場所づくりをおこなう看板スタッフたちがどんな思いで活動をしているかをお伝えしていきます。それでは「たかれん」さんの紹介をどうぞ♪
※本文の最後には動画もあるのでお楽しみに!
Q.看板スタッフになったきっかけを教えてください♪
看板スタッフになったのは、「対面でのコミュニケーションをもっと大切にしたい」「ココトモハウスというあたたかい場所をたくさんの人と共有したい」など様々な目的があるのですが……、一番の目的は「同世代の人たちの居場所をつくること」でした。
私自身、いじめ被害や不登校などを経験した影響で、ずっと家にも学校にも自分の居場所を見つけることができなかったんです。
存在を否定されてしまい、「なんで私が生まれたのか」「こんなに苦しいのになんで生きなければいけないのか」が分からない日々。
自傷行為も、軽度ではありますがOD(オーバードーズ:大量服薬のこと)も、自殺未遂もしました。
それでも少しずつ自分を大切にできるようになってきたのは、たくさんのあたたかい出会いがあったから。
たくさんの方が、もう両手じゃ抱えきれないくらいの愛情を与えてくれたんです。
最初は不思議でしかたありませんでした。
なんで、自分みたいな欠点ばかりの人間に、わざわざかまってくれるんだろう?
でも、自分から愛情をあげてみたときに気づいたんです。
愛情は、あげても減らないということに。
もらうのはもちろんだけれど、あげても減るどころかどんどん増えていって、二人ともとーっても幸せになれちゃうんですよね。
正直なことを言えば、今でも生きづらさは抱えていますし、家族や将来のことなどで悩むこともあります。
けれど、そんな葛藤の真っただ中にいる私だからこそ何かできることがあるのではないか?
そうして必死に考えて、看板スタッフとして同年代の居場所づくりに挑むことを決めました。
12歳、初めて本格的にいじめを受けて不登校になった時、私がほんとうに求めていたのは、上辺だけの対応しかしない先生や世間体ばかりを気にする両親ではなく、「同じ苦しみを抱えた、友達になれる存在」だったんです。
昔の私と同じような状況に立たされている子が、かなしいことですが、この世界には数えきれないほどいます。
毎日たくさんの子が人生に絶望し、自ら終わりを迎えてしまいます。
学校の始まる9月1日にはよりいっそう増えます。
自らも虐待・いじめを経験した身として、その選択が間違っているとは言えません。
しかし、そのような選択が最良だと感じてしまうだなんて、その道しか残されていないだなんて、こんなに悲しいことはないではありませんか。
あなたの苦しみと同じ苦しみを抱えた人がいる。
あなたの弱音を、甘えではなく、戦っている言葉なのだと捉える人がいる。
あなたの話をちゃんと聞いて、あなたの心に寄り添いたいと思っている人がここにいる。
そんなメッセージを、あなたにアドバイスをする存在ではなく、あなたと共に歩んでいく仲間として伝えられたら嬉しいです。
Q.看板スタッフとして特にどのような時間を提供したいと考えていますか?
年齢層を限定した「ヤングDAY」を開催するなどの取り組みを行ってきて、看板スタッフを始めたきっかけである「同年代の居場所づくり」ができている実感を少しずつ得られるようになってきました。
そして今では気持ちに変化があり、年代や性別を問わず、悩み苦しんできた方や人とのつながりを持つことに臆病になってしまった方が、「こんな自分も悪くないかもな」「もう一度やってみようかな」と感じられる場所をつくっていきたいなと感じています。
しかし、悩みを吐き出したり自分の価値観の話をしたりすることは、決して簡単なことではありません。
否定されてしまうかもしれない。受け取ってもらえないかもしれない。嫌われてしまうかもしれない。
言わなければ、否定されない。伝えなければ、嫌われない。
自分の中にあるものを表現しようとした時には、そんな不安が常に心につきまとうことでしょう。
かくいう私も、看板スタッフやブログなど様々な方法で発信していますが、未だにほんのちょっぴりだけ不安になることがあります。
それでも、やっぱり伝えることってステキだと思うんです。
たくさん発信すれば、それだけ受け取ってもらえないこともあります。すれ違って望んでいた結果とは違うものになったこともあります。
でも、伝えなかったばかりに後悔することもあるんです。
どちらにせよ後悔してしまうかもしれないのなら、一歩踏み出してみてもいいんじゃないのかなぁ。
少なくとも私は、誰かに伝えたことで、誰かから伝えてもらったことで嬉しい気持ちになったから、「想いを伝える」ということを大切にしたいのです。
その想いが、「ありがとう」でも「ごめんなさい」でも「苦しい」でも「おめでとう」でも「助けて」でも、全部まるっと受け入れたいのです。できる限り、あなたの心に寄り添いたいのです。
もちろん、無理に伝える必要はありません。全部を言わなくてもいいんです。
ただ、「あなたが何か想いを伝えたくなったとき、その言葉を受け止めたいと思っている人がここにいますよ」ということを心に留めておいていただけたら、もう涙が出てしまうくらい嬉しいです。
たくさんの想いに触れながら、愛情ややさしい気持ちを心にためることができたら、きっと今よりステキな世界になるんじゃないのかな。
その世界をあなたと一緒に見られるような、そんなあたたかい時間をつくっていきたいです。
Q.看板スタッフとして大切にしていることを教えてください♪
大切にしていることは、もうそれはそれはたーくさんありますが、中でもいっっっちばん大切にしているのが、「あなたと一緒に過ごせて幸せですよ」というメッセージを伝えることです。
ココトモハウスでは、たくさんの方と出会います。
職業も、経験してきたことも、価値観も、ほんとうにいろいろ。
しかし相手がどんな過去を持っていたとしても、どんな気持ちを抱えているとしても、今どんな環境に立たされていようとも、この場で出会えたこと、言葉を交わせたことは、とても素晴らしいことだと思うのです。
しかし、どれだけ出会いやつながりに感謝していたとしても、心の中のことって、なかなか相手には伝わらないものですよね。
そのため言葉だけではなく、帰り際に「ハグ」というカタチで、その感謝や愛情を伝えるようにしています。
常連さんもはじめましての方も、国籍年齢性別その他諸々を問わず、全員にさせていただいております。
もちろん中には照れ屋な方もいらっしゃるので、その時は握手であったりハイタッチであったりお辞儀であったり、その人に合わせたカタチで愛情を溢れんばかりに表現いたします(*´`)
ハグには、1日のストレスの約30%を解消できるなど、たくさんの嬉しい効果があるんです。
自己肯定感を高めるなど精神的な面は当然ながら、高血圧の予防や免疫力アップなど身体的な面でもメリット尽くしなんですから驚きですよね。
そしてなにより、そのぬくもりを通して「愛情」が伝わります。
「おかえりなさい」「いってらっしゃい」
この言葉と一緒にハグをすると、もう言葉では言い表せないくらいに幸せで、あたたかくて、やわらかくて、やさしーい気持ちになるんです。
そんな時間を過ごしても余りあるほどに、皆さまとの出会いに感謝しているのですけれどね(*´`)
Q.看板スタッフをしていて嬉しかったエピソードを教えてください!
看板スタッフとしている時には皆さんと話すことが楽しくて仕方がないので嬉しかったエピソードはいろいろありますが、今回はその中でも3つほどお話しさせていただきます。
1.愛情たっぷりの手紙をいただいた瞬間
私自身「想いを伝える」ということを大切にしているので、やはり気持ちを伝えてくださる方がいると嬉しくなります。
文通や手紙が好きだからか、お手紙をいただくことも。時間があれば、お返事をお書きすることもあります(*´`)
手紙はその場でいただいた瞬間から始まり、持ち帰りながら「何が書いてあるのかなぁ」なんて想像する時間、いざ開いて中身を拝見する時間、そして相手にどんな感想を伝えようかとお返事を考えている時間……、と一通いただくだけでなが~い間幸せな気持ちになれちゃうんです。
手紙に書いてあった内容はヒミツですが! どのお手紙もあたたかい言葉や愛情で満たされていて、すべてが私にとって大切な宝物です。
いただいた手紙はすべて、私の宝物入れにひっそりとしまってあります(*´`)
時折読み返して「ふふふ」とニヤニヤする時間がとっても幸せです。笑
2.誕生日のお祝いをしてもらった瞬間
私が20歳の誕生日を迎えた際、ほんとうにたくさんの方からお祝いをしていただきました。
実は私は、誕生日というものにあまりいい印象を持ってはいませんでした。誕生日と言えば家族と過ごすのが当たり前で、その家族の中に私の居場所はなかったから。自分の孤独を突き付けられているようで、たとえバースデーケーキがあっても、プレゼントが用意されていても、つらくて寂しくてたまらなかったんです。
でも、たくさんの愛情を受け取って、たくさんの方に祝っていただいて、嬉しくないワケがないんですよね。
私が以前ちらっと言ったことを覚えてくれていた方。当日行けないからとわざわざ前もって準備してくれていた方。お手紙をわざわざ書いてくれた方。
プレゼントや言葉ひとつひとつに込められている愛情がひしひしと伝わってきて、嬉しくてあたたかくて、思わず涙ぐんでしまいそうでした。
「あなたにできることがあるからではなく、あなたの存在そのものが愛おしいんですよ」
誕生日のお祝いには、そんなメッセージが込められているような気がします。
誕生日でなくても、普通の何気ない日常の中でも、あなたが生きているだけで素晴らしいのだと、あなたが居るだけで大切な空間になるのだと、そんなメッセージを伝えていきたいとあらためて感じた出来事でした。
3.利用者さんが次のステージへ行った瞬間
2016年8月から看板スタッフに加わり、それから今までの間、ほんとうにたくさんの方と出会いました。
長い付き合いになっている方もたくさんいますし、次のステージに移っていった方もたくさんいます。
中でも思い出深いのが、現在看板スタッフとして活躍している「まいこ」ちゃんです。
彼女のことが強く印象に残っているのは、初めて来てくれた日が偶然にも「私が正式に看板スタッフになってから初めて担当した日」だったからというのもありますが、それ以上に、彼女が後々伝えてくれたメッセージの存在があったからです。
「ココトモハウスにいつ行こうか迷っていた時、たかれんちゃんが担当スタッフだったから行こうと思った」
私が家や学校などで様々な苦しい経験をしてきて、今もなお葛藤している最中である、ということから親しみをもってくれたのだそう。
看板スタッフになった当初は、当時の看板スタッフの中では最年少だったのもあって、この雰囲気に馴染めるのか、看板スタッフとして役に立てるのか……、若干の不安な気持ちも持っていました。
しかしそんな中で、私が看板スタッフとして居ることがまいこちゃんがココトモハウスを訪れてくれるキッカケの1つになれて、しかもそんな彼女が今は看板スタッフとして皆さんの居場所づくりに取り組んでいて……。
この経験は、私が看板スタッフをする上での大きな支えとなってくれています。
彼女の他にも、たくさんの方がココトモハウスとの出会いを通じて愛情を受け取り、勇気や決意を胸に抱いてくれています。
泣くことも許されなかった(許せなかった)人が、安心して涙を流すことができて。
その先は、スッキリしたらまた挑戦してみたり、ここを居場所の一つとして大切にしてくれたり、ここを通じて出会った人たちとの仲を深めていったりと人によって様々ですが、ともかく「ココトモハウスの存在が、そして私ガスタッフでいることが、誰かにとっての救いやキッカケになれた」ということが、嬉しくてたまらないのです。
きっとこれからも、数えきれないくらいたくさんの出会いがあるのでしょう。
そう思うと、ちょっぴり緊張とたくさんのワクワクで胸がいっぱいになります(*´`)
出会えた方が安心して泣けるように、思い切り笑えるように、がんばりたいと一歩踏み出せるように、がんばらなくてもいいんだと許せるように、これからも看板スタッフの一人として精進してまいります!
Q.最後に、利用者さんにメッセージをお願いします。
まずは、ココトモハウスのサイトに訪れてくださり、この記事を読んでくださり、ありがとうございます。
改めて、ココトモハウスで看板スタッフを務めております「たかれん」と申します。
心のほんとうに片隅でいいんです。
もし良かったら、ココトモハウスの存在を、ちょこーっとだけ覚えておいていただけませんか。
それでついでに、「疲れたなぁ」って時、「誰かと話したいなぁ」って時、「この頑張りを誰かに褒めてほしいなぁ」って時、「もう誰でもいいから助けて」って時、ココトモハウスのことを一瞬でいいので思い出してください。
もうそれだけで大大大満足です。
人見知りだからうまく話せるか心配?
大丈夫。実は、私も人見知りなんです。
うまく喋れなくても、しどろもどろになっても、例え泣いたとしても、大丈夫。
ココトモハウスは、私たちにそんな安心感を与えてくれます。
無理に話す必要も、無理にはやく馴染もうとする必要もありません。
あなたのペースでココトモハウスという居場所をみんなと共有してくれたら、嬉しいな。
どんな不安も、どんな疑問も、私たち看板スタッフに教えてくれて大丈夫です。
そっとあなたの心に寄り添えるような、あなたが誰かに何かを伝えたいって思ったときに隅っこに「ココトモハウスでたかれんが待ってるよー」って語り掛けられるような、そんな存在になりたいと思っています。
ココトモハウスに来たことのある方も、まだこれからな方も、ハウスであなたのお帰りをお待ちしています(*´`)
最後まで読んでいただきありがとうございました。次はココトモハウスでお会いしましょう!
- たかれんのプロフィール
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1997年2月24日生まれ。
12歳の頃からいじめを受け、計7ヶ月の不登校を経験した。自らの経験から「学校でも家でもない居場所が見つかる」をコンセプトにしたサイト『ティーンズプレイス』を設立。ココトモハウスでも10代限定の日など若年層に向けた居場所づくりに取り組んでいる。
▽たかれんのプロフィール詳細はこちら
https://kokotomohouse.com/author/tkren0224/
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