引きこもり人数を徹底調査!100万人の男女比から都道府県別データまで

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社会福祉士のジョジョです。2019年、内閣府の生活状況に関する調査について、日本の引きこもり人数が100万人と推計されました。この100万人という数字が意味するものはなんなのか、100万人の引きこもりの語る真実を調査しました。

◆目次
1.100万人の大台にのった日本の引きこもり
2.全世代の引きこもりを調査!引きこもりは何人?
3.引きこもり人数の推移は?高齢引きこもりが増加傾向
4.引きこもり人数の男女比、男性が多いのはなぜ
5.都道府県別の引きこもり人数
6.ひきこもりは精神疾患の割合が多い
7.世界のひきこもり人数
8.引きこもりの未来は?僕が考えること

100万人の大台にのった日本の引きこもり

2019年、内閣府の生活状況に関する調査において、40~64歳の分布の引きこもりの人数が61万人ということが推計されました。61万人というと、都市の人口で言えば鹿児島市などとだいたい同じ数字です。

タイトルの引きこもり100万人とは、この61万人と合わせ、64歳以下の引きこもりを合わせた数字です。いまや引きこもりは、大都市を丸ごと飲み込むほどの数字に迫っているのです。

全世代の引きこもりを調査!引きこもりは何人?

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引きこもりの調査ですが、内閣府の生活状況に関する調査(2018年)、にてかなり詳しい調査がされいるので、そちらを中心に、本日は話をしていきたいと思います。

まず40歳~64歳までの引きこもりですが、これは全国で5000人に聞き取りを行った結果、1.54%のひきこもりが確認できたので、これを全国規模に直すと、61万人だろうとして推計されています。

また、40歳以下の引きこもりについては2015年に調査が行われ、15歳~39歳の方について、同じように5000人にランダムに聞き取りを行い、推計した結果、51万人という数字がでました。

合計して、100万人以上の引きこもり人口が推計されているわけですね。

生活状況に関する調査のリンクはこちら

引きこもり人数の推移は?高齢引きこもりが増加傾向

最近のひきこもり問題で特に注目されているのは、ひきこもりの高齢化です。そこで年齢別のひきこもり人口の推移をみてみましょう。

出典”yahoo.co.jp”

赤文字はひきこもりの総数です。日本の人口は減少していますが、ひきこもり人数は、人口に反比例して増加しています。特に、30代以上のひきこもりは、2000年と比べると1.5倍以上に増えてます。

数字で見ても、引きこもりの高齢化が進んでいるのがわかると思います。

また、ひきこもりの長期化も話題になっています。KHJ全国ひきこもり家族会連合会の調査では、20年以上の引きこもりを経験している人が10%以上にのぼるという結果もでています。

KHJが2016年から2017年にかけて実施したアンケートでは、引きこもりの平均年齢は33.5歳、40歳代も25%が占めた。引きこもりの平均期間は10.8年間で、調査対象の16%は20年以上に及んでいた。

10年、20年とひきこもりが長期化することで、結果として高齢化も進んでいく。そんな図式も見えてきます。

引きこもり人数の男女比、男性が多いのはなぜ

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引きこもりの男女比ですが、2018年の内閣府の調査では、7割が男性とされています。引きこもりが男性に多くみられる傾向は10年前から変わっておらず、2019年、2015年の調査でも6割以上が男性となっています。

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出典”生活状況に関する調査”

後述しますが、ひきこもりの原因として、就職活動の失敗や退職など、仕事による動機が多くを占めています。

男性が多い理由は、女性の場合は、結婚によって家庭という居場所が得られるが、男性は仕事の失敗によって、居場所をなくしていくため、結果として男性の割合が多くなってしまっているのでは、と僕自身は推測しています。

ただし、ひきこもり団体、ひきこもりUX会議の資料では、60%が女性となっています。

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出典”uxkaigi”

ひきこもりUX会議さんでは、ひきこもり女子会を開催するなど、女性への露出が高かったので、結果が異なっているのかもしれません。

しかし、女性の引きこもりについては、家事手伝いや専業主婦という言葉に隠され、深刻化が見過ごされているという意見もあります。

自分に自信が持てなくなり、親戚から勧められたお見合いの話も受けることができませんでした。40歳を過ぎても、自宅にひきこもる日々が続きました。食事の買い物以外、ほとんど外出することもなく、人と会話する機会もありません。

出典”nhk.or.jp”

女性においても、男性においても、こうあるべきという社会からの圧力が、本人達を苦しめている姿に変わりはないのかもしれません。

都道府県別の引きこもり人数

都道府県別のデータについては、いわゆる都道府県別のニートのデータが参考になります。データをみると、沖縄県など西側の県の割合が高く、全体的に西高、東低となっています。これは失業率の割合と類似しています。

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出典”honkawa2.sakura.ne.jp”

ひきこもりになった動機ですが、さきほどの生活状況に関する調査では、「退職、職場になじめなかった」など、仕事が理由になっている人が30%以上を締め、また人間関係がうまく行かなかった、という人が20%以上を締めています。

統計でわかった引きこもりの原因とは?社会人の失敗?病気?

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これだけでは母数は少ないのでなんとも言えませんが、引きこもり状態と仕事での失敗にはかなりの相関があるのではと考えられます。

また、厚生労働省により、各都道府県別の引きこもり実態調査の結果が発表されています。

各都道府県別の引きこもり人数の統計はこちら

ひきこもりは精神疾患の割合が多い

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また、ひきこもりの方は精神疾患をもっている割合が多いです。または精神疾患をもっているからひきこもりになってしまった、ということも考えられます。

うつ病や双極性障害によって、ひきこもりを余儀なくされたり、発達障害など、なんらかの精神障害ために仕事がうまくいかず、ひきこもりになる、というケースも少なくありません。

実際に生活状況調査では、ひきこもりの約30%がなんらかの精神疾患で病院に言った経験があるという調査結果も出ています。

【引きこもりは病気!?】引きこもりと精神障害の関係とお勧めの相談先を紹介!

世界のひきこもり人数

引きこもりは、失業だったり、自己肯定感を感じさせない文化などが強く影響していると言われ、特に日本で多いと言われています。

実際、引きこもりは、『Hikikomori』という英語訳もされていて、日本の引きこもりは世界的にも認知されています。

ただし、世界で日本のひきこもりが突出して多い、というデータはどこにもありません。

ちなみにILO( 国際労働機関)が行った、ニートの割合が多い国のランキングは、日本は28位。1位はトルコです。

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出典”news.yahoo.co.jp”

ニートと引きこもりでは定義はことなりますが、引きこもりは世界のどこでも起こりうる可能性があると思います。

また、傾向としては、若くから独り暮らしや自立を促す欧米諸国では、ひきこもりは少ない傾向があります。ひきこもりは無職の人が多く、親との同居などの文化がある国では多いようです。

韓国には約30万人いると言われ、イタリアでは欧州連合(EU)加盟国で初めてひきこもりの家族会が作られた。家族が同居する傾向が強い、家族主義が優位な国で問題化している。

出典”www.nippon.com”

反対に、欧米ではホームレスが多く、特に若年ホームレスは深刻な問題になっています。

米国や英国では、ひきこもり問題は比較的小規模だが、一方でヤングホームレスの数が多い。ホームレスの定義は国によって異なるため単純に比較できないが、米国では160万人、英国では25万人と言われている。

出典”www.nippon.com”

マスコミなどは、日本の社会構造が問題だ、と煽ったりしますが、特に日本だけが悪い、ということではないようです。

引きこもり100万人時代の意味するものとは?

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引きこもりの数字をみて見えてきたこと。ニュースで言われている通り、長期化、高齢化が進んでいる現状がみてとれます。

また私達は、就労が1つのゴールだと考えてしまいますが、生活状況に関する調査では、引きこもりのうち7割の人が就労を希望していません。

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また、ひきこもりUX会議さんの調査では、就労で自分の生きずらさが解消されると考えている人は15%ほどであり、最も高かったのは、”安心できる居場所が見つかった時”という回答でした。

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出典”uxkaigi”

世間では、引きこもりとその家族が共倒れになる、8050問題が話題になっています。これは引きこもりだけでなく、高齢化社会を迎える日本全体で起こってくる問題だと考えます。引きこもりは決して我々と無関係の話ではなく、社会のひずみを教えてくれていると僕は思います。

【親子の孤立、共倒れ】迫りくる8050問題の原因と解決策を解説

この記事をきっかけに少しでも生きづらい人達へ目が向いてくれれば幸いです。

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