社会福祉士のジョジョです。2019年は、引きこもり特に焦点があたった1年だったと思います。内閣府からは、中高年引きこもりが61万人と推計された調査結果が発表され、引きこもりとその家族による凄惨な事件が起こり、また8050問題や就職氷河期というワードがたびたびマスコミで取り上げられたためです。
事件によって、引きこもりは犯罪者予備軍ではないか、引きこもりは多くの事件を起こすのではないか?という風潮も世論に流れました。本記事では、2019年の引きこもり事件を中心に、その背景と引きこもり事件の真相や、引きこもり事件のまとめを紹介いたします。
引きこもりの重大事件まとめ!事件の背景と真実は?
2019年に起こった引きこもりに関わる大事件といえば、川崎市登戸通り魔事件と、元農水事務次官長男殺害事件でしょう。それぞれ二つの事件について、事件の詳細や背景をみていきましょう。
(本記事での記載は、各新聞社等の記事を元に調査を行いました。)
川崎市通り魔事件とは
川崎市登戸通り魔事件は、2019年5月28日、川崎のJR登戸駅付近で、引きこもりであった容疑者が、スクールバス待ちをする被害者を次々に襲い、2名が死亡し、十数名が負傷するという痛ましい事件です。
犯人は長期の引きこもりであったこと、または児童が多数襲われたということもあって、大きく世間の注目を集めた事件です。
元農水事務次官長男殺害事件とは
川崎市通り魔事件のわずか4日後、今度は被害者が引きこもりとなる殺人事件がおこります。それが、元農水事務次官長男殺害事件です。この事件は、川崎市通り魔事件のわずか4日後に起こり、またさらに犯人が完了のトップであった事務次官であったため、世間の大きな注目を集めました。
引きこもり事件一覧
その他、引きこもりの方が起こした重大事件について、紹介しておこうと思います。
豊川市家族5人殺傷事件
2010年4月17日愛知県豊川市にて、容疑者が自分の父親と姪を殺害、
母親と三男およびその妻が負傷した。容疑者はその後自宅の布団に火をつけ、自宅は半焼。
容疑者は15年間引きこもりを続けており、ネットオークションなどで数百万の借金を抱えていた。容疑者の行動を問題視した父親がネットを解約したところ、容疑者が激怒し、犯行に及んだ。
三重県四日市市引きこもり殺人事件
三重県四日市市にて、2014年5月、30年以上引き籠っていた息子が父親を電気のコードで首を絞めて殺害。
35年引きこもり男性が死体遺棄
2019年8月、東京都板橋区にて、母親の遺体を遺棄したとして東京都板橋区の男性が逮捕された。男性は高校卒業後から引きこもりだった。
広島県福山市引きこもり男性殺害事件
2013年、11月29日、広島県福山市にて、70歳の父親が、44歳の息子を殺害した。息子は20年以上引きこもり生活だった。
父親は、息子から「殺して欲しいと頼まれた」と供述している。
こうしてみると、引きこもりの方が関わる事件は以前からあったことがわかります。そして、最近増えているのが、死体遺棄事件です。
中には、親の年金で暮らすために、警察に連絡していなかったというケースもあります。
高齢化が進めば、これからもっとこういった事件は増えていく可能性があります。また、事件に共通することは、外部からの支援があれば防げたのではないかということ。
引きこもり問題では、当事者だけでなく、その家族も孤立しがちです。
周囲の助けがあれば、そう思われる事件があまりにも多い。支援を求められるのを待っているのではなく、こちらから支援を提案するアウトリーチなどの手法も必要ではないかと思わされます。
終わりに
引きこもりに限らず、社会に居場所を失くした人が凶行に走るという事件は近年多く発生しています。
事件の引き金となっているのは、周囲の無関心や無理解ではないかと私は思います。
どんな人であれ、社会から孤立してしまえば、犯人になってしまう可能性はあるのではないでしょうか。
私達は何をするべきか、これからも問い続けていかなければと改めて思わされました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。